成長ホルモンときくと、小さいお子さんの身長の伸びなど成長期にだけ必要なホルモンと考えている方も多いですね。
しかし、それは間違い!
いくつになっても成長ホルモンは健康に過ごすためにも必要なものでもあり、美しい黒髪を作るためにもとても重要なものなのです。
今回は、成長ホルモンが髪に及ぼす影響と分泌方法をみていきましょう。
目次
成長ホルモンって何?

それではまず成長ホルモンのご説明からしていきましょう。
成長ホルモン=HGA
成長ホルモンの正式名は、ヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone)といいます。視床下部の脳下垂体を中心に分泌される191個のアミノ酸から成り立つホルモンです。
その名の通り成長に欠かせない役割を担うだけでなく、代謝にも深くかかわっています。
成長ホルモンのはたらき
成長ホルモンは、
- 骨や筋肉を作る(身長を伸ばす)
- 代謝を良くする
- 病気への抵抗力を引き上げる
- 老化を防ぐ
などのはたらきがあります。つまり、体の細胞の活性化や、体の恒常性維持に必要不可欠な存在なのです。
なかでも老化を防ぐはたらきは、白髪予防にとても役立つ重要なはたらきです。
髪の色となるメラニン色素を作るメラノサイトの活動を活性化させることで、老化によって増える白髪を予防できますし、臓器を健やかに保つことで栄養の吸収や運搬が滞りなく行われることで、メラニン色素のもととなる栄養がしっかりと頭皮に運ばれ、白髪になりにくい環境を作ることができるのです。
加齢とともに分泌量が減少
成長ホルモンは、永遠に分泌され続けるものではありません。成長ホルモンの分泌は13~17歳をピークに残念ながら加齢とともに分泌量が減少していきます。
なんと、白髪が気になりだす30代になるとピーク時の4分の1、50代に至っては8分の1まで減少します。
成長ホルモンの分泌を増やす方法

このように成長ホルモンの分泌は何もしなければ加齢によってみるみる減少してしまうため、普段から「いつまでも出ると思うな成長ホルモン」と意識しておくことが大事。
それと同時に、減少する成長ホルモン分泌量を増加させる習慣を取り入れましょう。
睡眠の質と量の改善
成長ホルモンがもっとも分泌されるのが睡眠中です。なかでも入眠後の3時間がカギ。
人間の睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返していますが、睡眠後に訪れる最初のノンレム睡眠に最も多くの成長ホルモンが分泌されます。
しかし、眠りの質が悪ければそのリズムも乱れて、たっぷり睡眠時間をとったとしても十分な成長ホルモンを分泌することができません。
質・量ともに良い睡眠を取るには、寝る前の体調と環境を整えることが重要です。
体温が下がる頃に入眠する
人は体温が下がり始めるころに自然に眠気を催します。入浴して体が温まり、それが下がってくる頃にベッドに入るとスムーズに眠りに入ることができます。
お風呂に入った後はいつまでも起きておらず、眠くなりやすいようにリラックスした状態で過ごすようにしましょう。
寝る前の注意点
寝る前にテレビやパソコン、スマホなどの明るい光を見ていると脳が刺激され交感神経を優位にしてしまうため、寝る前には読書や軽いストレッチなどをして心や体をクールダウンさせると穏やかな眠りが訪れやすくなります。
また、コーヒーや紅茶、アルコールなど神経を高ぶらせる飲み物も避けるべき。そして、食事も寝る前にはとらないようにしましょう。
これは血糖値が低い状態のほうが成長ホルモンが分泌されやすくなるためです。
また、血液が消化のために使われて眠りを浅くしてしまうばかりか、十分な消化ができずに太りやすくなってしまいます。
寝室を整える
次に行いたいのが環境づくりです。
明るすぎる照明、あるいは真っ暗な室内では穏やかに眠ることができません。目に直接光源が入らない場所にほの暗い間接照明などをつけるとよいでしょう。
また自分に合った寝具を用意することも重要。
ベッドの固さ、布団の軽さ、枕の高さなど個人によって好みや具合が異なるため、いろいろ試してみて自分が最も快適に眠れるちょうどよい寝具を見つけてください。
ほかにも寝る際には、リラックス効果の高いラベンダーや森林系のアロマを焚く、乾燥・多湿を避け湿度や温度を整えることも重要です。
高負荷の運動をする
もうひとつ成長ホルモン分泌に効果的なのが、きついと感じる程度の運動をすることです。
激しい運動をすることで乳酸が発生して体内に蓄積されるのですが、この乳酸量が一定値以上(乳酸性作業閾値)を超えることで成長ホルモンの分泌が促されるようになります。
なかなか激しい運動といっても素人がいきなり無理な運動をすることはケガの元。また、時間が取れないという方もいらっしゃることでしょう。
そこで行いたいのが、加圧トレーニングです。
加圧トレーニングとは専用の器具を腕や足の付け根部分に装着して行うトレーニングです。
意図的に体をめぐる血液量をコントロールすることで、少量の運動でもきつい運動に相当するトレーニングができます。
ただ、これには専用のトレーナーの指導が不可欠。最近では加圧トレーニング専用のジムなど多くなっているので、ぜひお近くにないか探してみてください。
まとめ
白髪予防に非常に重要な働きを担う成長ホルモンは、加齢とともに放っておけばどんどん分泌量が減少してしまいます。
しかし、睡眠や運動を適切にすることで成長ホルモンの分泌を効率的に促し、老化を原因とした白髪を防ぐことができます。
白髪が増えてきたなと感じたら、それは成長ホルモンの減少を伝えるSOSかもしれません。
十分な成長ホルモンの分泌を確保するために、普段から規則正しい生活と運動を心がけるようにしましょう。
コメントを残す