チラホラと生えてくる白髪を目立たなくさせるために、手軽に使えて即効性のある白髪染めを使う方も少なくありません。
市販の白髪染めやサロンで行う白髪染めを使えば、確かに一度でしっかりと白髪を染めることができ、見た目も若々しく見せることができるのですが、忘れてはいけないのがその副作用です。
今回は、白髪染めに含まれる成分の中でも特に気をつけたい成分とその副作用についてご説明していきましょう。
目次
白髪染めの成分

手早く白髪を染められる白髪染めには、どんな成分が配合されているのでしょうか。
白髪染めの仕組み
一般的な白髪染めは、一剤 (酸化染料、アルカリ剤) と二剤 (酸化剤) を混ぜて使います。
一剤の酸化染料には、パラフェニレンジアミンやトルエン-2.5-ジアミンなどいわゆるジアミン系の染料で、二剤の酸化剤(過酸化水素水)によって発色します。
また一剤のアルカリ剤は、アンモニアやモノエタノールアミンなどで、髪の毛を覆うキューティクルを開く役割とともに、二剤の成分の分解を促し脱色効果を引き出すという2つの役割を担っています。
では次に、それぞれの成分についてご説明します。
一剤「酸化染料」
ジアミン(パラフェ二レンジアミン、フェ二レンジアミン)は染料としては非常に有能な成分です。
しかし、この成分によってさまざまな副作用が起こることがわかっています。
具体的には、爛れや赤みや発疹などの接触性皮膚炎、 結膜炎、気管支喘息、腎臓障害、肝臓障害、 貧血などの症状のほか、失明や白内障、深刻なものになるとショック症状によって呼吸困難などにより死に至るケースも報告されています。
また発がん性があるといわれている点も見逃せません。
直接、頭皮や肌など薬剤が触れた部分の皮膚に爛れなどの異常が現れるだけではありません。
使用している最中に気化した薬剤を吸い込んで肺から吸収されたり、経皮吸収されたりすることで、薬剤が触れていなくても全身に異常が現れることもあります。
ジアミン系の副作用は、一度あらわれたら二度と同成分が入ったものを使ってはいけません。
軽い症状だったからいいや、その時たまたま体調が悪かったから、と再び使ってしまうと、前回よりもさらに重い症状が出てしまいます。
そのため、一度アレルギー症状が出た方は二度とジアミン系薬剤の入った白髪染めを使ってはいけません。
また、気をつけたいのが、ジアミン系のアレルギーは使ってすぐにあらわれないこともあるということ。
アレルギー性接触皮膚炎など遅延型のアレルギーだった場合、白髪染めを使った2日後くらいに反応が体にあらわれることもあります。
白髪染めをした時からずいぶん時間が経っているので、異常を感じても白髪染めが原因と気づかず、再び白髪が伸びてきたら同じ白髪染めを使ってしまい深刻な副作用におそわれてしまうケースもあります。
一剤 「アルカリ剤」
髪の毛を内外から守る働きのあるキューティクルは、白髪を髪の内部から染料を浸透・発色させて、染めたい白髪染めにとっては厄介な存在です。
そんなキューティクルをこじ開けるのが一剤に含まれたアルカリ剤の仕事。閉じているキューティクルをむりやり開くわけですから、髪に良いはずがありません。
アルカリ剤によってキューティクルがはがれて髪が脆くなり、髪のパサつきや切れ毛・枝毛、退色しやすくなります。
二剤 「過酸化水素水」
次に、染料を酸化し発色を良くすると同時に、黒髪に入っているメラニン色素を脱色する働きを担う過酸化水素水の危険性についてご説明します。
過酸化水素はもともと劇薬指定されている強力で危険な成分です。白髪染めに使われているのは薄められた過酸化水素水なのですが、やはり危険であることには変わりがありません。
非常に強い殺菌効果があり、発がん性があり、肝臓障害、遺伝子損傷にもかかわっていることが分かっています。
またメラニンの正常な結合を阻害するため白髪を増やすきっかけにもなる上に、たんぱく質を破壊する働きもあるため主原料がたんぱく質(ケラチン)である髪にとっても大きなマイナスとなります。
防腐剤・保存料
ほかにも、レゾルシンなど保存料にも、腎臓障害や甲状腺機能障害のおそれがあります。
便利で手軽な白髪染めですが、そこには様々な危険な成分も配合されていることを忘れないようにしましょう。
白髪染めをする際の注意点

上記でご紹介した成分は、残念ながらほとんどの市販の白髪染めに配合されています。サロンで行う白髪染めも同様です。
しかし、危険があることがわかったけれど、手間や価格や緊急性の点から白髪染めを使わざるをえないという場合もありますね。その時に注意すべきポイントを見ていきましょう。
パッチテスト
上記の成分を配合した白髪染め商品を使う時には、事前に必ずパッチテストを行うようにしましょう。
使い慣れた商品を使う場合でも、必ず使用前にパッチテストをしてください。できれば遅延型を想定して使用する2日前に行うのがベスト。
アレルギー反応は、いつ出るかわからないものです。前回平気だった方も、次に使ったときに重篤なアレルギー反応が出ることもあります。
「自分は大丈夫」と思い込まず、必ずパッチテストをするようにしましょう。
体調
白髪染めをするときには自分の体調が悪い時は極力避けるようにしましょう。
病み上がりや生理前後なども避けた方が無難。
しっかり洗い流す
ただでさえ体にも髪にも良くない成分を含んでいる白髪染めを使うのですから、使用後にはしっかりと髪の毛を洗い流すようにしましょう。
髪や頭皮だけでなく、体全体もしっかりすすぐことがポイントです。
まとめ
手っ取り早く白髪を目立たなくさせられる白髪染めは便利なアイテムです。しかし、そこには危険を及ぼす成分が凝縮して配合されていることを忘れてはいけません。
白髪染めを行う際は、美髪づくりのためだけでなく健康のためにも、極力今回ご紹介した成分が入っていないものを使って行うようにしましょう。
使わざるを得ない場合は、注意点に気を付けてご使用ください。
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